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子ども支援部会 会議録
開催日 令和 7 年 1 月 15 日(水) 開催場所 灘崎文化ホール 開催時間 10:00
所 属(職種) |
氏 名 |
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氏 名 |
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児童発達支援センターみどり学園 |
杉安さん |
わかくさ学園 いちご |
杉本さん(欠席) 高河さん |
児童発達支援センター まな星 |
吉岡さん |
旭川児童院通園センター |
土屋さん |
児童発達支援センター岡山かなりや学園 |
問田さん |
岡山市障害者基幹 相談支援センター |
薮内さん 平松さん |
ひまわりケアステーション |
高見 高崎 |
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開会 |
本日は「他機関との連携について」というテーマで話し合っていきます。 |
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「他機関との連携について」 シンポジウム |
〇シンポジウム
総合司会:児童通院センター 土屋氏 司会進行:岡山市障害者基幹相談支援センター 薮内氏
登壇者 岡山市こども総合相談所 浅野氏 岡山市発達障害者支援センター ひか☆りんく 松本氏 岡山市障害者基幹相談支援センター 平松氏 児童発達支援センター みどり学園 杉安氏 児童発達支援センター まな星 吉岡氏
岡山市における障害児相談支援のセルフプラン率は依然として高い状態ですが、児童発達支援や放課後等デイサービスを利用する事業所では、困難ケースや支援が必要な家庭と出会うことがある。 今回のシンポジウムでは、事業所としてどのように支援を組み立て、ご家族や本人の困り事に寄り添うことができるのかを検討し、他の機関と連携し、適切な支援を提供するための方法を探ることが目的。
内容
① 児童発達支援・放課後等デイサービスのガイドラインの確認 今年度4月に発表されたガイドラインでは、以下の4つの大きな支援項目が追加されている。 (一)ご本人の支援、(二)家族支援、(三)移行支援、(四)地域支援・地域連携 今回取り扱うのは、(二)家族支援と(四)地域支援・地域連携の部分。 →どの家族支援についても児発放デイの職員の皆さんには役割が求められており、その先には地域との連携、地域支援を行うという部分もガイドラインに記載がある。
(二)家族支援ではどんな家族支援を求められるのか? ・子ども本人と保護者との関係を尊重し、家族からの困りごとに寄り添う ・愛着の安定のため、子どもが信頼感を感じられるような関わり方を伝える。 ・保護者からの相談に対応し、家庭環境の整備(兄弟に対する相談、レスパイト、心理カウンセリング)を行う。 (その先には、保護者交流会の企画も支援の内容に入っている) →家庭環境の整備という部分もなじみになってきた。保護者に対してペアトレの実施をするということも求められている。 家庭、家族支援を行っている中で専門的な支援が必要な場合は、適切な機関を繋いでいくなどの対応を求められている。
〇(四)地域支援・地域連携について 家族支援を行う中で、虐待の疑いや親御さん自身の精神的な問題、また家族全体の経済的な課題、またDVなど家族関係の中での課題が明らかになった時には、適切な機関に繋げていくことが求められる。 どんな機関へつなげていく必要があるか、(四)の地域支援・地域連携についての資料に抜粋して載せている(別紙参照)。 相談支援専門員も同じく、地域連携は事業所と家庭、その他機関との橋渡しをする役割を求められているが、岡山市はセルフプラン率がとても高い。 令和5年度は74.2%、今年度は僅かに減少し71.9%。この3月には60%台が目標ですが、セルフプランが多い理由の一つに相談支援専門員の不足があり、つけたくてもつけられないという状況が発生している。 相談支援専門員が基幹相談支援センターを運営しているので、相談支援専門員になっていただける方の養成を頑張っていくところではあるが、来年セルフプラン率を0%にするのは現実的に難しい。この状況の中でどう家族支援を行っていくか、知恵を出す必要がある。
② 各機関の紹介 1. 岡山市こども総合相談所 【紹介担当:浅野氏】 〇児童相談所と地域子ども相談センターの違いについて 児童相談所は、児童福祉法第12条に基づき、各都道府県に設置された児童福祉の専門機関である。児童相談所の目的は、原則18歳未満の子どもに関する様々な相談に応じて支援することである。 児童相談所は、虐待対応の印象が強いかもしれないが、昨年度の相談受付件数は3368件あり、そのうちの1/3、約1107件が虐待に関する相談であった。最も多かったのは「紹介相談」で1975件。これは療育手帳の判定に関連する相談が多いためである。その他、非行や不登校、しつけに関する問題、子どもの行動に関する問題など、さまざまな相談に対応している。 〇児童相談所の部門の説明 児童相談所には、相談部門、措置部門、判定部門、一時保護部門がある。 ・「相談部門」は地区担当と虐待担当に分かれている。地区担当は、主に虐待の継続ケースに対応し、療育手帳の相談にも関わる。また、児童養護施設などの施設のケースワークも担当し、施設入所後の支援について保護者と協力して進めていく。 ・「措置部門」では、里親に関する業務や、里親希望者への研修、子どもと里親のマッチングから、里親委託後のフォローまで広範囲に対応している。全国的に里親制度が推進されている中で、これらの業務が重要となっている。 ・「判定部門」では、療育手帳の判定を行うとともに、虐待ケースやその他の継続的な支援が必要なケースを担当し、児童心理士や児童福祉士と連携して支援を行っている。 ・「一時保護部門」では、一時保護所で子どもへの対応も行い、交代勤務をして支援に当たっている。行動観察を行い、一時保護した子どもの今後の支援方針について、職員と連携をとりながら対応している。 児童福祉士、児童心理士、保健師精神保健福祉士、保育士、警察、弁護士など多職種で関わっており、より専門的な支援ができる体制となっている。 〇地域子ども相談センターについて。 児童相談所と似たような業務を行っているものの、一時保護や施設、里親への措置はできない。 地域子ども相談センターには、社会福祉士、精神保健福祉士、保健師などの専門職が配置されており、DV相談の窓口を持つ家庭女性相談員がいることが特徴。 比較的軽微な虐待や家庭内の問題を扱い、特に母子家庭やひとり親家庭への支援にも力を入れている。また、学校に勤務する子ども相談主事も在籍しており、保護者や子どもと面接を行い、学校からの相談にも対応している。 その他、母子父子自立支援員が在籍しており、主にひとり親家庭の子どもの進学や学費の貸付、保護者の就労や資格取得に係る費用の助成等の支援をしている。 地域子ども相談センターが取り扱うケースは、福祉事務所内で他の支援と密接に関連していることが多く、支援の連携がしやすいというメリットがある。 児童相談所と地域子ども相談センターの違いは、主に一時保護や施設、里親への措置ができるかどうか。児童相談所はそのような措置が可能で、より重度の虐待や支援が必要なケースに対応するが、地域子ども相談センターは、比較的軽度の虐待や支援が必要な家庭に対応している。 近年よく耳にするヤングケアラーという社会問題について。これは、大人が担うべき家事や家族の世話を日常的に行っている子どもを指し、支援が必要であっても表面化しにくいことがある。地域子ども相談センターはこのような問題にも対応している。 児童相談所や地域子ども相談センターに相談したい場合、どちらに連絡すればよいか迷うことがあった場合は、まずは地域子ども相談センターに連絡し、必要に応じて児童相談所へ引き継がれることが一般的である。 比較的、軽微虐待であれば地域子ども相談センター、重い虐待なら児童相談所というイメージ。軽・重の区別は一時的にでも親子分離が必要なケースかどうかという所が目安となってくる。 地域子ども相談センターは市内の福祉事務所に設置されており、各地域に密接に関わっているため、身近な相談窓口として利用されることが多い。
2. 岡山市発達障害者支援センター ひか☆りんく 【紹介担当:松本氏】 ひか☆りんくは、岡山市が運営する発達障害者支援センターで、平成23年に開設された。スタッフには児童精神科医、保健師、保育士、心理士、教育関係者、事務スタッフが揃い、発達障害のある方やその疑いがある方、そしてそのご家族を対象にした支援を行っている。対象者は岡山市在住で発達障害のある方、またはそのご家族。年齢を問わず、幼児から成人まで幅広い年齢層がサポートの対象になっている。 〇岡山市の発達障害支援の現状 岡山市は発達障害の外来患者数が全国で最も多い一方で、外来診察を行う医療機関は全国22位にとどまっている。この数字は大人も子どもも含んだもの。 また、岡山市の公立保育園における自閉スペクトラム症(ASD)診断を受けた5歳児は10.7%と全国平均を上回っており、診断を受けるための支援体制が整っている。 支援学級の数も多く、近年ではASD診断を受けた子どもの半分が支援学級ではなく、通常学級で学んでいる。インクルーシブ教育が進んでいるため、支援が必要な場合でも通常学級で学ぶことが可能となっている。 〇支援者向け研修 ひか☆りんくは支援者向けに発達障害に関する研修を行い、岡山市全体の発達障害に対する対応力の向上を目指している。研修は、医師、保育士、保健師、教員向けに専門的に実施されており、また、発達障害の専門家向けの連続講座や、強度行動障害に関する出張講座も行っている。これにより、支援者が発達障害の子どもへの対応力を高め、支援がより円滑に進むことを目指している。今年度からお試しで強度行動障害の方を事例対象者とした事業所向けの研修も実施している。 〇ひか☆りんくの具体的な支援 ・ポカポカ広場:2~3歳児を対象にした親子遊びや保護者グループワークなど、小集団活動を実施。就学前訪問支援事業:4~5歳児を対象に、園を訪問し、相談支援を行っている。 ・ニコニコ教室:年長児とその保護者を対象に、小学校生活の疑似体験や就学先への相談方法を学ぶ勉強会。 〇利用者の年齢層と相談内容 ひか☆りんくに訪れる相談者の半数以上は児童期の方で、特に未診断の低年齢の子どもが多く訪れている。 相談内容は、小中学生の頃なら学習面や対人トラブル。高校生年齢になると、高校生活が継続できない事や就労支援についてのご相談が増えてくる。 ひか☆りんくでの個別相談は、通常1時間枠で行われる。初回の相談時に電話で内容を聞き、対応方針を決定する。面接はケースバイケースで行われ、家族が同席する場合や遊びを通じた面接などが柔軟に行われる。 特に未診断の方に関しては、ほとんどのケースで今後、受診を検討する流れになる。その際、ひか☆りんくでは、保護者と一緒に受診時に相談すべき内容を整理したり、ひか☆りんくでできる支援の内容を伝えたり、家庭で実践できる方法を提供するなど、診断前の段階でも丁寧に支援を行っている。 〇リンクルファイル(相談支援ファイル) 相談支援の一貫したサポートを提供するために使われるファイルで、特に児童期から成人期へ移行する際に役立つ。このファイルは、過去の支援内容や情報を体系的に記録することで、支援者が情報を把握しやすくし、引き継ぎの際に重要な役割を果たしている。 さらに、「サポートマップ」というページが含まれており、相談が終了する際に、今後の相談先や支援機関を分かりやすく整理して記載することができるようになっている。これにより、本人が今後どこで支援を受ければよいかが明確になり、安心感を与えることができる。 〇講座案内 (別紙参照)
3.岡山市障害者基幹相談支援センター 紹介担当:平松氏
基幹相談支援センターは、岡山市で障害のある方やそのご家族に対し、様々な支援を提供する重要な機関である。このセンターは、地域での障害支援体制の強化を目指しており、その役割は大きく5つの柱に分かれている。 〇総合相談・専門相談 総合相談では、障害のある子どもや成人の困りごとや相談に対応し、必要な支援や情報を提供している。事業所からの相談も受けており、放課後デイサービスや児童発達支援事業所からの連絡もある。 専門相談では、より特化した支援を必要とするケースに対して専門的なアドバイスを行っている。例えば、特定の疾患や障害に関する具体的な支援方法や、個別対応についての相談を受け付けている。 〇地域移行・地域定着支援 障害のある子どもが成人を迎える際には、地域移行支援が重要な役割を果たしている。入所施設などにいる障害のある方が成人後、どのように地域社会に溶け込んでいくかを支援している。これには、地域での生活支援体制を整えることが含まれ、移行後も安定した生活が送れるように支援している。 地域定着支援では、障害のある方が地域社会で安定して生活を続けられるよう、地域の各種サービスと連携し、生活支援を行いっている。特に、成人期における生活移行や地域定着がスムーズに行われるような取り組みがされている。 〇地域支援体制づくり 地域支援体制づくりは、障害のある方が地域で暮らしていく上で必要な相談支援の体制づくりを進めることである。岡山市内で障害のある子どもや成人が生活する際に、相談支援の体制を整え、地域内での支援がスムーズに行えるよう取り組んでいる。 相談支援は、自治体内の事業所や施設と密接に連携し、地域での支援を強化している。特に、障害のある方が自立した生活を送れるよう、地域のリソースを活用するための調整を行っている。 〇専門的助言 基幹相談支援センターは、相談支援事業所などの支援者に対して、専門的な助言を行っている。これにより、支援の質を向上させることができる。相談支援事業所が適切な対応をできるようにバックアップし、相談を受けたケースに対して最適な支援方法をアドバイスする。 また、支援者向けの研修会を開催し、支援者のスキル向上を図っている。研修を通じて、支援者の理解を深めるとともに、質の高い支援を提供できるようにしている。 〇人材育成・権利擁護・虐待防止 基幹相談支援センターでは、人材育成にも力を入れており、相談支援事業所や関連機関に対して、支援者の能力向上をサポートしている。支援者が障害のある方に対して適切な対応を取れるよう、様々な研修やアドバイスを行っている。 また、権利擁護や虐待防止にも取り組んでおり、障害のある方々が尊厳を守られた生活を送れるよう、虐待の防止に関する取り組みを行っている。支援者に対する教育を通じて、権利を守る意識を高め、虐待の予防を図っている。 また、障害者自立支援協議会にも参加しており、協議会内の子ども支援部会や実践教育部会などで活動している。ここでは、支援方法の向上を目指した議論や取り組みが行われており、基幹相談支援センターはその中で支援体制の改善や情報共有を進めている。 〇市民への対応 基幹相談支援センターは、市民からの直接的な相談も受けており、市民との連携を重要視しています。市民からの相談は、相談支援事業所や第一線の支援者と協力しながら対応され、事業所や施設と連携して、地域全体の支援体制を強化しています。
③ 事例検討を通じて関係機関との連携を探る 《事例1》 放課後等デイサービスに通われている児童 体臭や髪のベタつきが気になる、送迎時、保護者が家にいる様子はあるが、インターホンを鳴らしても玄関まで出てこない事がある。また、普段の利用時にお子さんが友達をからかう、職員へのボディタッチが多いといった行動が見られ、職員の注意を引こうとする傾向がある。夏休みになると昼食の提供をしているが、お代わりを頻回にしている。以前は利用料の支払いが定期的にあったが、最近は支払いも催促をしても滞りがちになっている。両親は定職についておらず収入は不安定。両親は本人の障害特性を理解しているようという感じは見られない。しかし、本児への愛着はあるのか、本児は両親になついているように見える。
【前回グループワークでの意見の振り返り】 ・繋げる機関・・・地子相、学校、相談支援専門員、基幹相談支援センター、生活保護のワーカー、保健師、児童相談所、民生委員。 ・ネグレクトのように感じる。保護者に障害特性を理解した関わり方を伝えていく。SSTの導入。愛着形成をはぐくんでいく支援も必要ではないか。普段の家での生活の様子をアセスメントする必要があるのではないか。保護者から何でも相談してもらえる関係づくりをしていく。担当者会議をしても良いのではないか。 【登壇者コメント】 〇児童総合相談所:浅野氏 虐待通報(ネグレクトの疑い)で受ける案件と思われる。 児童総合相談所へ連絡があった場合、今後のことを考えると地子相へ繋げて相談していくことになる。地子相が訪問することになったとしてもご両親は驚かれるかもしれない。誰から聞いたのか?という話になり、注意で終わるようなことになってしまう可能性がある。そうなるとあまり意味がないように思うので、そうならないように、関係事業所が、「力になってくれるところがある」という事でご両親と繋げてもらえると良い。また、関係性が出来ている事業所の人も一緒に訪問してもらう事でより状況の把握や情報整理をしながら対応していくことが出来る。 福祉と連携し、生活保護の相談窓口につなげ、収入面や就労に関する相談を行っていく 相談支援事業所、社協や保健師につなげることも可能。 子ども食堂の紹介 子どもだけでなく、両親も一緒に支援をしていくことが出来ればと考える。
〇基幹相談支援センター:平松氏 保清、社会性、金銭面の課題が見られる。 地域の相談支援専門員へつなげてもらえると良い・・・事前に具体的に情報収集を行っておいてもらい、支援チームを作っていけると良い。 相談支援員との連携をしていくうえで、将来の見立てを明確に伝えてもらえると良い。 個別支援計画を踏まえて躓きや問題点を投げかけてもらい、一緒に考えて行けると良い。
〇ひか☆りんく:松本氏 個別に親御さんから相談をもらい、障害特性を理解したいという希望があれば個別相談として対応可能。 養育環境の心配があるため、保護者のキャパがどのくらいあるか把握しておく必要がある。積極的に両親が動けるのであれば、ひかりんくへ通ってもらいながら相談対応もできるが、保護者の相談意欲が低いのであれば、子供の養育環境の安心安全が課題となってくるため、そうなると地域子ども相談センターへつなげていくようになる。 特性理解も必要だが、保護者が混乱しないように、子供の安心安全を守れるようにするために優先順位を整理し程者へ伝えることもしていく。 ネグレクトが疑われるが、親に課題がある場合、子供の見立てが少ない。入浴しない、食事量が多い、ボディタッチが多い、というところでは、感覚の特異性で説明する事が可能。友達をからかうというところでは、心の理論が確立していないという特性によって生じているのか判断する必要がある。入浴に関しては、保護者が何もしていないのか、させたいけどそれが出せない状況にあるのか丁寧に確認していき保護者の困り感を引き出す。 保護者が特性をもっている家庭も多い為、大人の発達障害についての視点を持ちながら面接の実施をしていく。 ASDの特性がある人は相手の立場に立って考える事が難しい為、虐待に繋がりやすい傾向にあるという視点を持って関わることもしている。 子どものためとは言っても親のペースで物事が進んでいる事が多々ある。子供の気持ちを察して理解する事が難しい為、子供が自分を困らせているという受け止めになりやすいので、そういった親の困り感に寄り添いながら面談を行っていく。 ネグレクトが疑われる過程においてはひかりんくだけで対応していくのは、何かあった時に対応しきれないため、地域こども相談センターやこども総合相談所と連携しながら進めていくようになる。
〇児童発達支援センター みどり学園:杉安氏 学齢期なので、放デイでの療育を想定していくことになる。そういう経緯の中で、児発センターに相談があった際には、相談をしてきた事業所が療育でどんな取り組みをしていくかという観点での相談に対応していくことになる。 個別支援計画をどのようにたてていくか?という所や親御さんに対する家族支援の観点から一緒に考えていくことができる。 事業所だけでは限界があるため、いろいろな機関と繋がっていけるように助言する。 相談支援、保育所等訪問支援などにどのようにつなげていくやり方があるか?という事を一緒に考えていく。
《事例2》 セルフプランで父親の転勤に伴って大阪から転居 姉は小学2年、母は大阪ではパート勤務だったが、転居後は求職中。 双子の兄は大阪で発達障害と診断され療育を開始し、双子の弟は検査予定。 大阪の病院からの紹介状はあるがどこにいけば良いのか良くわかっていない。 兄の療育が必要なので、岡山市に相談し、ある児童発達事業所に通い始めた。年度の途中で転居の為母も休職中の為保育園への入園が出来ていない為、療育には弟も連れて行っている。 父は仕事が忙しく育児や家事のサポートはできていない。 母は子供達のことを大切に思っているようで、学校行事や兄の療育にも積極的に参加しようとしているが、家庭では時間に追われ母が疲弊している。 小学生の姉にもまだ手がかかるが、本人任せになってしまっている事を母は申し訳なく思っている。
【前回グループワークでの意見の振り返り】 ・繋げる機関・・・保健師、基幹相談支援センター、機能強化事業所、 ・大阪からの転居の為岡山の資源のことなどまだよくわかっていないと思われる。父にどう育児や家事に関わってもらうか考えていく中で、ケース会や家族会に参加してもらうのはどうか?兄を相談支援専門員に繋げて、そこから弟の支援につなげていく。弟が発達検査を受けられる医療機関などを紹介していく。母の疲弊に関しては、日中一時支援のレスパイトを提案してみる。相談ができやすい環境づくり。地域などで行っている家族参加型のイベントを紹介してみる。
【登壇者コメント】 〇基幹相談支援センター:平松氏 セルフプランで市外からの転居の場合 セルフプランと相談員が作成する支援計画の違いはあるが、それぞれの良い面がある。このケースの場合、双子の兄は療育を受けていて、弟は今後受けるかもしれない、と言う中で、親御さんがどうしたいかが重要。専門家にしっかり関わってもらい計画相談をやってもらいたいと考えているかどうか。必要と思っているなら紹介していく流れになるが、自分たちで考えてどうにかして行きたいと思っているならそれに見合った機関を紹介していく必要がある。そうした中で、相談支援事業所へつなげるか、機能強化事業所や児発センターにつなげるか分かれてくるので、困った時の相談に乗れるようなつなぎをするかどうかの入り口を分ける作業をして行く動きになると思う。 まずご両親に会い、子供のこれからについてどう考えているか聞き、検査を考えているなら専門の医療機関を紹介するなどの紹介先の仕分けをしていくようになると思う。今後の子供たちのライフプランの見立てを一緒にしながら必要であれば専門職へつなげていく。
〇こども総合相談所:浅野氏 直接連絡が来た場合、地子相へつなげていくようになる。医療機関の紹介も必要に応じて行う。母の育児の負担を考慮し、保健師に相談しながら育児の相談窓口になってもらう。母が求職中であっても保育園への申請は可能。通園に向けて園に相談をし、見学に同行するなどの入園支援も行う。また、また保育園の一時利用なども費用はかかるができるためそういった情報提供も行う。岡山市がしているショートステイ事業の紹介も行う。窓口は地子相。0歳児が利用できる乳児園もある為検討してみる。
〇ひか☆りんく:松本氏 ひか☆りんくの役割からの観点としては、双子の弟はなぜ検査があとだったのか?という所から障害程度が軽かったために親の障害需要が遅れたのか?本当は受診に抵抗があるのではないか?という所から面談を行っていく中で確認していく事になる。母の負担が多い為、新たな相談先を増やす事が適切かどうかも検討する必要がある。保健師につないで家庭訪問をしてもらいながら相談を継続していくのも可能。病院へ行くよう伝えても、言われただけでは行けれない保護者もいるため、保護者の特性だったり、トラウマや知的な理解力の課題だったりする為、この保護者ができるところはどこかを見極めていく。優先順位はひか☆りんくでつけ提案していく。状況によっては、今はひか☆りんくではないという事も多々ある。優先順位を付けたときに子供の安心安全が最優先とされる場合は適切な機関へまず繋げてもらえればと思う。
〇児童発達支援センター まな星:吉岡氏 センターに直接相談に来た場合、まずお母さんのニーズをしっかり把握する。 具体的には、まな星の療育を活用し、面談を通じてお母さんの困り感や要望を洗い出す。 岡山市のどこに繋がったのか?相談窓口との連携がキーワードであり、特に保健師と繋がれていると良い。 保健師は、家庭の状況を見守りながらサポートを行えるため、家族全体の支援がしやすくなると考える。 さらに、兄弟への支援も法改正を受けて注力されており、兄弟に対する支援の方法を整える必要がある。 まな星に来られた場合、診察には時間がかかることを現実として伝え、待機期間が長いため、タイムリーに療育を受けさせたいという気持ちを持つお母さんに対して、どのようにサポートするかを考える必要がある。そのために、まずお母さんが何を求めているのかをしっかりと洗い出し、こどものアセスメントや発達検査の実施を行い、最適な支援を提案することが求められる。 双子の弟を医療へつなぐことや、母の求職支援として一時預かりなどの紹介を行う。 「子ども誰でも通園制度」というものが制度化する動きがあり、就労の有無にかかわらず未就園児を預けられる。6か月から満3歳未満のこどもが対象。対応施設が岡山市内に9カ所ある。1か月10時間までという上限はあるが、使い方によっては母のレスパイトなどの目的で利用することも良いかと思う。1時間300~400円程度。 療育としては、子供達との関わり方のコツを保護者へ伝えていく事や、特性の捉え方を丁寧に保護者へ伝えていく。これからの見通しが立てられるようなサポートやアドバイスを行っていく。必要に応じて必要なタイミングで連携機関へ繋げていくことが出来ると思われる。連携ありきではない考え方かもしれないが、まず事業所で何ができるかを見ていくのも一つの方法かもしれない。まな星児発センターが蓄積してきたノウハウを活かして、他の事業所と共有し、地域資源をうまく活用することも大事な役割と感じた。 |
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部会写真
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その他 残った課題など |
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次回 運営会議の日程 |
R7年2月19日 「地域課題と次年度に向けての計画」 |