障害のある人、そうでない人が、共に支え合い、安心して暮らせる岡山市づくり

子ども支援部会

2025年7月子ども支援部会議事録

2025年08月09日

子ども支援部会 会議録

 

  開催日  令和 7 年 7 月 16 日(水)  開催場所  旭川荘吉井川キャンパス   開催時間  10:00  

 

 

所 属(職種)

氏 名

所 属(職種)

氏 名

所 属(職種)

氏 名

所 属(職種)

氏 名

児童発達支援センターみどり学園

杉安さん

わかくさ学園 いちご

杉本さん

土屋さん

児童発達支援センター

まな星

吉岡さん

旭川児童院通園センター

牧野さん

児童発達支援センター岡山かなりや学園

問田さん

岡山市障害者基幹

相談支援センター

平松さん

 

ひまわりケアステーション

大野

高崎

高見

 

 

今回のテーマ

『職員育成をどうしますか?』

①児童発達支援センターより状況報告

②グループワーク

③共有・発表

④その他・お知らせ

①   児童発達支援センターより状況報告

  • 問田さん (岡山かなりや学園)
  • 牧野さん (旭川児童院通園センター)
  • 吉岡さん (まな星)
  • 杉安さん (みどり学園)
  • 進行役: 杉本さん (わかくさ学園)
  • テーマ: 「職員育成どうしてますか?」
  • 目的: グループワークにて各事業所の職員育成に関する取り組みを共有し、それぞれの事業所に持ち帰って活用できるアイデアを見つける。

② グループワーク

職員育成  各事業所の状況と共通の課題

  • わかくさ学園 (杉本さん)
    • 職員定着率が良く、7、8年ぶりに新しい職員を迎えた。自身がわかくさ学園に来て3年目だが、経験豊富な職員は教えるスキルがあるものの、それを言葉にして伝えるのが難しいと感じている。職員教育の具体的なプログラムがなく、戸惑いを感じている。「根拠に基づく支援」が求められる時代の流れの中で、その取り組み方が課題である。
  • まな星 (吉岡さん)
    • 新職を迎え事業を展開中。ベテランや中堅が上位職に就き、3年未満のスタッフが半分以上を占める状況である。人材育成は「日々の課題」であり、現在まさに取り組んでいる最中である。センターや一般事業所も状況は同じである部分が多く、お互いに良いアイデアを共有したいと考えている。
  • 旭川児童院通園センター (牧野さん)
    • 5年以上勤務の職員が多く、定着率が高い。
    • 子育て世代のスタッフが多く、働きやすい環境が整っている。
    • 一方で、急な行事や子どもの体調不良などでスタッフが突然少なくなり、利用者対応に追われることがある。
    • スタッフ間の理解度や技術面でのスキル差が課題であり、共通の方向性を向ける必要性を感じている。
  • かなりや学園 (戸田さん)
    • 歴史の長い施設であり、15年以上のベテラン職員と5年未満の若手職員が混在している。
    • 経験年数の長い職員(「自分が福祉を支えている」という熱意を持つ)と、仕事に割り切った考えを持つ新規職員との間で、考え方の相違が生じることがある。
    • 新規職員は「何をしたらいいか具体的に教えてほしい」というHow-toを求める傾向がある。
    • 「気持ちの部分」を伝えることの難しさがあり、経験の浅い職員とベテラン職員を「どうつなげるか」が育成上の大きな課題。
  • みどり学園 (杉安さん)
    • かなりや学園と同様に、経験年数の長い職員と浅い職員、若い職員と年配の職員、男性・女性、専門職など多様な人材が混在している。
    • 多様な職員をどのように育成していくかが大きな課題。
    • チューター制度など様々な育成制度があるが、「どれを取ったら正解なのか」が分からず、常に悩んでいる。
    • 大規模法人内の制度が、自事業所にそのまま適用できない場合が多く、事業所独自での取り組みが必要だと感じている。
    • 「心意気」だけでなく「How to」を求める声がある。
    • 発達障害に関する取り組みや考え方が変化しており、経験豊富な職員が培ってきた知識や方法を伝える際に、受け止める側との間に違和感が生じることがある。
    • これらの違いを「上手にミックス」することで、事業所全体のスキルアップに繋がる可能性があり、「間を取り持つ重要な人」が必要だと認識している。
    • 職員育成は「終わりがない」と感じている。
  • わかくさ学園 (杉本)
    • 現場職員が外部研修に参加しにくい状況(1日研修に参加すると現場が疲弊するため)を考慮し、大学の先生を招き、学期に1回、事業所内で職員研修を実施している。これは、都合の良い時間に来てくれる人を探し、内部で研修を行うという取り組みである。
  • まな星 (吉岡)
    • 年間計画を立て、事業所内研修を積極的に実施している。
    • 研修内容は、新職向け、中堅向け、全体向けに分けられている。
    • 安全管理や虐待防止といった必須研修に、人材育成(スキルアップ、社会人としての必要なスキル、接遇)の要素を織り込んでいる。
    • 春先には接遇(電話の取り方など)から始め、徐々に療育技術の話へと進める年間計画を立てている。
    • 全員が揃う時間の確保が難しく、特に心理の専門職が兼務で別部署にいる日もあるため、一人でも多くのスタッフが集まれるよう30分という短時間で研修を実施する工夫をしている。
    • 短時間研修は「尻切れトンボ」になることもあるが、継続することで「何かしら得るものがある」と信じて取り組んでいる。
  • かなりや学園(戸田先生)
    • 時間確保の難しさは共通の課題であり、30分の捻出も容易ではない。今回の申し込みの中にも「送迎で外に出ていくので、なかなか職員が集まる時間が取れない」という意見があったように、送迎業務や勤務時間の違い(集団で子供たちが来る時間や帰る時間が決まっていないため)により、職員全員が集合する時間を確保することが困難である。全員が集まれない状況に対応するため、資料を作成して配布したり、順番に伝達したりする方法を検討している。小規模事業所では、電話の取り方や保護者への挨拶・声かけといった基本的な接遇から指導する必要があり、いくら時間があっても足りないと感じている。
  • みどり学園 (杉安)
    • 管理者の立場から、研修時間の確保の難しさを痛感している。管理者の考え方も難しく、現場の人も管理者も悩んでいる点は共通している。数年に一度、全員で1日休業し、同じ研修を受ける「先行投資」的な取り組みを行っている。
  • 旭川児童院通園センター (牧野)
    • 医療機関(児童院、療育医療センター、通所、入所、医療機関)が併設されている強みを活かし、必要な研修を内部で受ける体制がある。
    • 重心分野には強みがあるが、発達障害や自閉症に関する知識が不足しているため、外部の先生に研修を依頼している。
    • 市内で実施される研修は利用しやすい。
    • コロナ禍以降、Eラーニングを活用し、全体でなくても各自で学習できる機会を提供している。これは、全体で実施する必要はないが、やるべきことがある場合に活用されている。研修計画は立てるものの、時間確保の難しさから計画通りに進まないことも多い。

各事業所の実践例

③共有・発表

発表実施グループ・・・⑱、⑭、⑬、⑯

進行・総評  わかくさ学園(杉本さん)

⑱グループ

 

 ⑭グループ

 

⑬グループ

 

 ⑯グループ

 

 【まとめ】

•発表内容の冒頭で、日本で発表できる内容として新卒の研修内容が取り上げられた。

o定期的な研修で基礎や支援について学んでもらい、利用時の事例検討会やZoomでの参加機会、個別面談も実施する。

o新卒の場合、他の職員より多めの配慮が必要との意見があり、事業所の理念に納得しているかの確認が重要であるとの意見が出た。

o企業理念と個人のやりたいことが一致しない場合、上司や先輩の求めることとのギャップが生じ、それを埋めることが難しいという問題が指摘された。

•ベテラン職員への育成として、管理者が教育計画を作成し個別に声かけを実施している事例が紹介された。

o日常会話など自然なコミュニケーションを通じて、上司や普段接する機会が少ない人からも「自分のことを見てくれている」と感じさせる効果があるとの事例が挙げられた。

•管理者としての役割および休息の重要性についても意見が出た。

o管理者はしっかり休み、他のスタッフも休みやすい環境を作ることの重要性が強調された。

oまた、言語化力をつけるという意見もあり、最終的には施設全体の運営方法に直結する重要なポイントとして認識された。

•サブタイトル「スタッフが定着するには」と題して、採用後の研修や情報共有方法について議論が展開された。

o入社後の研修内容の記録を動画で残す、会社の理念や方針を伝えるなど、定着率向上のための工夫が共有された。

o日々の情報共有の手段として、月1回の会議、LINE、電話、Googleドライブ、キントーン、Slackなど多様なツールが利用されている。

o【問題点】ツールが多様すぎるため、対応が難しいスタッフがいるという課題も指摘された。

•長期在籍のスタッフと新規採用スタッフとの距離感や考え方の統一の難しさについても議論が盛り上がった。

o一定の考え方や支援の方法が共有されていないため、マンネリ化の解消をどのように図るかがテーマとなった。

•対人関係やメンタルヘルス研修として、東大試験のエゴグラムを用いた自己理解の取り組みが紹介された。

o管理者の役割や時間の使い方、また一般職スタッフがどの法令のもとに業務を行っているかの理解促進の重要性が議論された。

o「メンタルとして割り切ることも大事」との意見により、対人関係の調整や自己理解向上がスタッフ全体の健全な職場環境につながると認識された。

•採用に関しては、人事担当がスタッフを見極める取り組みや、やる気の評価等、具体的な評価項目についても触れられた。

•新しく入った職員と既存スタッフとの間で色の違いによる浮き上がりの問題が指摘された。

o【説明】新入職員がなじみにくく、既存の文化や価値観とのギャップが原因とされる。

•職員育成における研修の状況についての検討が行われた。

o療育を含む業務や保護者対応、新卒職員に対して社会人としての基本的な挨拶など、一からの指導が必要とされる。

o【課題】研修や反省会のタイミング、事後報告事項が多い現状が言及された。

•効果的なコミュニケーションとアドバイスのタイミングの難しさが議論された。

o【課題】朝礼など公の場での指摘と、個別のフィードバックのタイミングのバランスが問題視された。

•全体として、結論はまだ出ていないものの、改善の必要性が認識された。

•既存職員と新入職員の1対1の指導(約1ヶ月)による現場での直接的な学習が実施されている。

o【説明】採用前の現場見学も含め、実際の業務体験を通して業務内容の理解を深める。

•現場業務の重要性を強調し、管理業務や児童発達支援・デイサービスの業務に携わる職員への現場参加を促進。

•全事業所で月1回の全体研修や、ベテラン職員を対象とした約2週間の研修が行われている。

o各研修の内容は間違っていないと判断されるが、最も重要なのは職員間および利用者間のコミュニケーションであるとの結論に至った。

•職員育成において、具体的な教育プログラム、特に「エビデンスに基づいた支援」の導入が確立されておらず、経験者と新人スタッフ間の知識や「マインドセット」のギャップが大きい。発達障害に関する最新知識の統合も課題であり、職員間のスキルや理解度にばらつきが生じている。また、大規模な企業モデルが個々の施設に合わないため、効果的な職員育成システムの選択・適応に苦慮しており、共通の方向性や「仲介者」の役割が必要とされている。小規模施設では、時間やリソースの制約から基本的なビジネスマナー研修(電話応対、挨拶など)も困難な状況にある。

•職員研修のための十分な時間の確保が、送迎業務やシフト制といった業務上の制約により困難であり、研修計画が完全に実行されていない。さらに、全職員が同時に集まれない場合の効率的な情報共有や研修実施方法(資料配布、順次伝達など)が未だ検討中であり、確立されていない点が課題となっている。

 

④ その他、お知らせ

【こどもサポート教室きらりより】

1. 子どもサポート教室きらりによるクレープ作りイベント

概要:円山校と備前三門校で、昨年度から実施しているクレープ作りイベントの継続と、外部参加の開放が予定されている。

詳細:クレープは5月にオープンした「クレープリー アマンド」より、500円で提供。

実際のサイズよりは小さいが、子どもたちに“作る体験”と“食べる経験”を提供。

希望者には別途でトッピングのオプションも計画されている。

申し込みはQRコードを使用し、来店時間の記入が必要。

 

2. 岡山「あそび博」合同イベント

概要:きらりの保護者合同による夏祭りイベント「あそび博」を開催予定。

開催日時:8月30日(土)16時~18時30分

会場:山陽学園大学(体育館、学生ホール、運動場)

参加費:無料(ただし、キッチンカーなど一部有料ブースあり)

対象:2歳から小学校低学年まで

共催:山陽学園ボランティアサークル、岡山市教育委員会(講演提供予定)

申し込み:チラシ記載のQRコードを利用

 

【協議会 医療的ケア家族会より】

1.ピアノリサイタルのご案内

主催:岡山県医療的ケア家族会

共催:岡山県医療的ケア支援センター

演奏者:守谷友希さん(19歳、先天性中枢性低換気症候群。常時酸素・人工呼吸器使用、県内で2名の希少疾患)

開催場所:旭川児童院1号棟3階 多目的ホール

開催時間:8月2日(土)13:30〜15:00(出入り自由、注入なども会場内で実施可能)

申込:不要。支援者や関心のある方はどなたでも参加可能。

 

2. 「医療的ケア児支援の日」

開催日:9月18日

内容:岡山城をパウダーブルーにライトアップ

目的:医療的ケア児支援の啓発活動

 

3. ABA(応用行動分析学)に関する講演

開催予定日:10月26日(日)

場所:みどり学園(詳細未定/ポスター作成中)

講師:東先生(ノートルダム清心女子大学)

対象:支援者、保護者、関係者など

 

4. にじいろハーモニープロジェクト(コンサートイベント)

概要:障害の有無に関わらず楽しめるコンサートを企画。主催者の家庭事情(長女が福山型筋ジストロフィーで車椅子使用)から、インクルーシブな視点を重視。

開催日:10月18日(金)

開催場所:イオンモール岡山 みらいホール

特別ゲスト:横山だいすけさん(NHK「おかあさんといっしょ」11代目 歌のお兄さん)

ワークショップ:9月7日開催(参加者は当日の出演者とコラボ出演可能)

チケット:定価を抑え、障害者割引は設けずフラットな価格設定

広報:チラシ・ポスター配布、電子チケットも対応中

協賛企業:呼びかけ・調整を継続中

 

【新規事業所】

1.nayuta株式会社「やまりば」プロジェクト

概要:今年度4月より、三つの山奥に新たな事業所を開設。不登校のお子さんを対象に「やまりば」プログラムを開始。

詳細:対象学年:小学校5年生~高校生(放課後等デイサービス利用で18歳まで)

活動内容:自然の中で、職員とともに「家以外の居場所づくり」と「自己実現の場」を提供

送迎の相談にも柔軟に対応可能。現在、利用希望者を募集中(要相談)。

 

2.みらいぷらす相談所(昨年の10月開所)たけやりの系列

概要:昨年10月に開所し、子ども向けの相談支援業務に特化した事業所として活動中。

お願い:相談業務に関心のある関係者への紹介・連絡の呼びかけを行っている。

 

部会写真

 

次回 運営会議の日程

「こどもと家族の支援って何?」

日時:9月17日(水曜日)10時開始

会場:旭川荘厚生専門学院 吉井川キャンパス大会議室

会議終了後の会場準備(机の配置等)にあたり、参加者の方はご協力をお願いします。